先生と教官室
「おい、どうした?」
「何かありましたか?」
2人で声をかけると、その女子生徒は田本(詩衣)と伊緒だった。
しゃがみこんでいるように見えた生徒は伊緒だった。
何か顔色悪いな…。
「もう大丈夫だから。」
あ、こいつまた強がってる。
「失礼します。」
失礼しますって…フラフラしてんのに本当に大丈夫なのか?
せっかく進藤先生が送る方向にもっていってくれたのに。
それを無理矢理阻止して歩きだすなんて…。
もしかして、そうまでして俺と一緒に居たくなかったのか…?
「あいつ……。」
もしもそうなら、せめて進藤先生に送ってもらえよ。
何かあったらどうするんだ?
2人の姿が見えなくなるまで見ていると、進藤先生が何か言いたそうな顔で俺を見た。
ん?なんだ?
俺の顔に何かついているのか?
「進藤先生、どうかしました?」