先生と教官室
少し眉をひそめた進藤先生が俺を睨む。
「僕なら送りますね。」
そして、そう言うのと同時に顔を2人が歩いていった方へと向けた。
こっちを見ずに話し出す進藤先生。
「甲田先生、いいんですか?」
「え、えっと…なにがだ?」
「まだ片瀬さんと仲直りしてないんでしょう?」
「!!!!!」
そ、そうか…あの秋山先生の事があった時、伊緒の事を教えてくれたのは進藤先生だった。
俺達の事を知ってて当たり前か…。
「このまま放置すると、甲田先生ふられますよ?」
「え…えぇっ!!?」
「ねー、甲田先生。」
こ、こいつっっ!!
俺の伊緒に対する気持ちまで知ってんのかよ!!
「いや、まだそんな…ことは…。」
「何言ってるんですか、ありますよ。僕達、生徒といくつ離れていると思っているんですか?」
「うっっ…それは…。」
「あの子達からしたらおじさんですよ?気抜いてたら簡単にふられますよ。」
ニヤっと笑う進藤先生からは何とも言えない威圧感を感じる。
「彼女の事考えて笑う位なら、早く仲直りしたほうがいいと思いますけどね。」
ば、ばばばばばれてる―――っっ!!!!!
何でばれてるんだよ!!
し、進藤先生…お前って一体何者なんだよ…。