先生と教官室
「甲田先生、鍵貸して下さい。僕が返しときますから。」
そう言って俺から鍵を奪い、職員室に向かう進藤先生。
「お疲れ様でした、甲田先生。彼女とどうなったかは今度聞かせて下さいね。」
お…お前は女子か!!
この歳で恋バナも何も……。
っでも、進藤先生のお陰でキッカケは出来た。
伊緒を家まで送って行こう。
そして、送りながらこの前の事をきちんと話そう。
「進藤先生ありがとなっ、今度何か奢るから!!」
歩いていく進藤先生の背中に向かって叫ぶ。
すると、さっきの睨んできた顔とは全く違う表情で俺の方へと振り向いた。
「それは初デートのお誘いですね!?楽しみにしときます!!」
「―――っっバカかお前は!!」
ありがとう、進藤先生。
少しふざけた感じで、でも本当は真剣に考えてくれて。
教える立場の俺が色々教えてもらったよ。