先生と教官室







――――――――――……






「片瀬さんの担任の先生でしたよね?医師から説明がありますので診察室へどうぞ。」






「解りました…。」






看護師に案内され、すぐ近くの診察室へと入る。






すると、そこにはとても優しい雰囲気をした医師が座っていた。








「今回、片瀬さんが倒れた原因は貧血だと思います。」






「貧血…ですか…。」






あれ、あいつ貧血持ちだったか?





確か学校の書類にそんな事は書いてなかったよな。







「これはあくまで推測ですが…。」






そう言った医者の顔が、少し曇った気がした。






「なんですか?」







「…片瀬さんの採血の結果を見た所、きちんと栄養がとれていないようなんです。」







「…それは、どういう事ですか?」






「簡単に言えば、食事や水分をきちんと取っていないという事です。」






「え……」







「それと、目の下にクマも出来ていたので睡眠もとれていなかったかもしれませんね。食事と睡眠、両方が身体に影響して今回の貧血に繋がったのではないかと思います。とりあえず今から点滴をして、薬を出しておきますから、後はきちんとした食事や睡眠が取れるようサポートしてあげて下さい。」






「…はい、有り難うございました。」






診察室を出て、伊緒がいる病室に向かう。






すると、病室の前まで来た俺にさっき案内をしてくれた看護士さんがドアを開けてくれた。






「有り難うございます。」






会釈をしてから病室に入ると、ぐっすり眠っている伊緒の姿があった。






「ったく、お前は…。」






何で食事も睡眠もとってないんだよ。






そんなん倒れるに決まってんだろ?






お前、自分の身体なんだと思ってんだよ。







「………せ、…せ…。」






「――――っっ」








……でも、お前が食事も睡眠も取れなくなったのは、俺のせいだよな。








「はぁ…………。」








まぁ、貧血ぐらいですんで良かったよ。







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