先生と教官室




「せ…んせ?」





「きっと、睡眠も食事も取れなくなったのは、あの事が原因だろ…?」





「―――――っっ」






「あの時の中途半端な会話のせいで…俺が片瀬を傷つけてしまった。」






違う、違うよ先生。





確かにその事が気になったのもあったけど、先生だけが悪いわけじゃない。






私だって悪いんだ。






それに、睡眠と食事がとれなくなった一番の理由は、話を聞かなかった自分を責めている事なんだよ。






「…なぁ片瀬。もう遅いかもしれないけど、俺の話し聞いてくれる?」






うん。





聞くよ、先生。






今度はちゃんと先生を信じるから。






何時間だろうと聞いているよ。






「教えて…下さい。聞きたいです。」






そう言うと、先生が少しだけ笑いかけてくれたように見えた。







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