先生と教官室
や、やばーいっ!!
これは間違いなくやばいぞ!!
起き上がる反動で、先生の頭部にチョップをくらわせてしまった!!
「あ、あのー…先生?」
うずくまる先生に声をかけてみる。
そして、恐る恐る近づいて顔を覗き込んでみる。
「伊緒。」
「!!!!?」
ゆっくりと顔をあげた先生の表情は、私の予想とははるかに違い、驚きが隠せなかった。
ギュゥゥゥ…
「へ?」
驚きで動けないでいると、思考が追い付いた時には優しく抱きしめられていた。
「…せんせぃ?」
戸惑いが隠せない。
だって、チョップをくらわせた私を優しく抱きしめるなんて。
そんな事、ありえ…
「はっはっは」
な、い……?
って、はっはっは?
もしかして今この人笑ってます?
ん?あれれ、何か抱きしめる腕の力が……。
「―――っふうぅっ!!?」
息が止まりそうなくらい力強く抱きしめられる。
先生の胸と私の顔にもはや距離ゼロ…。
くる…しぃーっ!!
頑張ってもがいている私をよそに、先生は抱きしめる力を緩めない。