先生と教官室







「伊緒、頼むから…もっと自分の身体を大切にしろ。」






悲しい顔をした先生が、弱々しい声で私にそう言った。






「お前、ここの所倒れてばっかだろ。心臓何個あってもたりねーよ。」






「…………。」






先生、私の事そんなに心配してくれてたの?







「辛いなら辛いって言っていいんだぞ。もっと人に甘えていいんだよ。」






「………先生、解ってないですね。」







「え?」





「私、もう充分甘えてます。先生の存在にも、この優しさにも、沢山沢山甘えてます。だって、こんなに雷が鳴っているのに、ちっとも怖くない。それは紛れもなく先生に甘えているからなんですよ?」






だから、そんなに悲しい顔しないで?







「親がいない夜でも全然寂しくない。そう思えるのは、全て先生のお陰なんです。だから……」







「伊緒。」






全てを言い終わる前に先生が私を引き寄せ、そのまま優しく抱きしめた。









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