先生と教官室
さっきと全く違う抱きしめられ方に、少しだけ戸惑ってしまう。
でも、抱きしめてくれる手と私の頭の上におかれた手の温もりがとても心地良い。
「もういいよ。解ったから。」
「…本当ですか?」
解ったと言いながら、本当はまだ悲しい顔をしているんじゃないかと顔をあげてみると、そこには優しく笑う先生がいた。
安心した顔、だよね。
「甘え方は人それぞれだよな。」
うん、そうだね…。
甘え方なんて人それぞれ。
うまくできる人も、そうでない人もいる。
だから、私と先生が全く同じ甘え方なんてありえない。
でも、そうだから甘える事ができると思うんだ…。
「だから、お前が甘えていると言うならそれでいい。」
「…はいっ」
さっきの悲しい顔が嘘のよう。
気がつけば、いつも通りの先生に戻っていた。