先生と教官室
「もういいですよ!!雷酷くなる前に早く帰って下さい…。」
怒る声にも今は迫力がない。
とにかく雷に驚かないようにする事だけで精一杯。
「伊緒、おいで。」
「へ?」
さっきまで笑っていたとは思えないほどに落ち着いた声が聞こえてくる。
その声に驚いて布団から顔を出すと、ベッドの隅で手を広げる先生が見えた。
あ…これ前もやってくれたなぁ。
おいでって言う声にキュンキュンしたの覚えてる。
「ほら、怖いんだろ?こっちおいで。」
キュンキュンが…キュンキュンが止まらないぃ!!!
「………で、でも。」
「甘えていいって言ったろー?こうゆう時に素直に来るのが甘えるって事なんだぞ。」
「――――――っっ」
そんな事言われたら、もうどうしようもないじゃんか。
布団から身体を出し、ゆっくりと先生に近づく。
すると、そっと私の身体を引き寄せ、子供をあやすように優しく抱きしめてくれた。