先生と教官室
もう緊張やらときめきやらで、身体から大量に汗がでている気がする。
先生からは石鹸のいい匂いがするのに、自分は汗の匂いがしている気がする。
う――…こんな事なら、先生よりも後にお風呂に入るんだった。
先生の『先に入れ』っていう言葉に負けて入ったけど…失敗だったなぁ…。
「あ、それとさ、お前の携帯って防水じゃないの?」
「え…あ、そういえば!!」
今の今まで忘れていた事実。
帰りの雨に濡れて携帯壊れたんだった…。
ん?でも、先生親に電話したんだよね?
あれ、壊れてなかったのか?
「先生、私の携帯って使えましたか?」
「あぁ、電源入れなおしたら使えたけど…電話切った瞬間に動かなくなった。」
「あ…やっぱり……。」
ですよねー…やっぱり壊れてたのは間違いではないですよね。
まぁ一回使えただけでも奇跡だよ。
「携帯買いかえないとなぁ…。」
「今度はちゃんと防水の買えよ。」
「ふふ、そうですね。」
抱きしめられながら会話しているのが幸せに感じる。
顔は見えないのに、表情が自然と浮かんでくるようで面白い。
「なんなら…俺とお揃いのでも買う?」
「…………………。」
おそろ…い?
「………………へ?」
今なんとおっしゃいました?