先生と教官室
「…で、ここの訳がね……。」
「うーん…。」
大っ嫌いの英語も数学も、今回ばかりは何としてもいい点をとらねばと、珍しく必死になる。
こんな事なら、前から地道に頑張れば良かったな。
「やっぱ優羽は英語得意だよねー。」
「まぁねっ!!将来は留学するって決めてるからね。」
すごい、すごすぎる。
「すごいね…。」
「そんな事ないって。皆それぞれ色々考えてるし、優羽だけじゃないよ。」
いやいやそんな事あるでしょ。
夢もやりたい事もない私にとっては優羽の姿は輝いて見えるよ。
「ねぇ伊緒。そんな事よりさ、なんかあったの?」
「え?」
恵那と数学をやっていた知佳から、いきなり言葉がとんできた。
「あーそれ私も思った。」
「ウチも!!」
恵那、優羽も知佳に続いて同意する。
「え!!え!!?何みんないきなり…。」
いきなりの皆からの追及に、驚きと戸惑いが隠せない。