先生と教官室
俺の言葉に、進藤先生が少しニヤっとする。
「来週からテスト週間ですからね。中間テストは体育の科目が無く、僕たち体育教師は暇だからです。」
あ…そうか…もう来週からか。
伊緒にあんな事を言っときながら、そんな事すでに忘れていた。
「部活も休みになっちゃいますからねぇ。」
「あぁ、そうだな…。」
あいつ、本当にいい成績とれるのか?
確かこの前の結果見たけど…あんまり良くはなかったはず。
教師としては良い成績をとってほしいけど、男としては悪い成績をとってほしいものだ。
あいつからキスしてくれるとかプレミアもんだかんなぁ。
「甲田先生、顔ニヤけてますよ。」
「ふぐっ!!!」
飲んでいたコーヒーを少し吐きそうになるほどのツッコミが進藤先生から飛んでくる。
「まぁ幸せそうで何よりですけど。…ズズッ」
まだ伊緒の事考えてたとか何も言ってないのに…。
くっそぉ……進藤先生のコーヒーを飲む姿がやけに格好よく見えるな。
これは生徒からモテて当然だな。
「まぁ、詳しくはまた今度で頼む。……ゴクッ」
「はい、解りました。…じゃぁそろそろ授業いきますか?」
「あぁ、そうだな。」
進藤先生にいれてもらったコーヒーを飲みほし、二人で教官室を後にした。