先生と教官室






それから一週間が経ち、あっという間にテスト週間へと突入した。





テスト週間中は部活動禁止期間になってしまう為、伊緒に逢える回数が少なくなる。





…というより、もしかしたら全く逢えないかもな。





伊緒のクラスの担任でもないし、体育の担当でもない。





学校での俺と伊緒の接点と言えば、部活の顧問という事だけだ。






「あ――…、電話しようかな…。」






毎日逢える事が当たり前の関係だから、逢えなくなると解ると少し寂しく思ってしまう。






俺も相当重症だな…すっかり伊緒の孤独感がうつってしまったようだ。






前まではこんな事考えもしなかったのにな。






「…テストなんてなくなっちまえ。」





生徒が頑張っていると解っていても、素直な思いが出てきてしまう。







自分が自分じゃないかのようだ…。






…それにしても、なんで逢いたいと思う時にはこんなにも逢えないのだろうか。






土間に立って挨拶をしていても、この一週間一度も伊緒には逢えなかった。






何でだぁ?





いったいお前はいつ学校にきてんだよ…。










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