先生と教官室
―――――――……
あ――…頭から立川の言葉が離れない。
さっきから掻き消そうとしているのに、何でか頭の中をぐるぐるし続けている。
『進藤先生、伊緒の事好きだったりして』
いや、そんな事あるはずがないのは十分解っている。
でも、何故だか不安はつのっていくばかりで…。
「はぁ……。」
自分がしてしまった行動を、これほど後悔した事はないだろう。
さっき、俺は立川の言葉で動揺し、とっさに伊緒の言葉を無視してしまった。
直ぐにフォローすればいいものを、それすら出来ずに二人から離れるなんて…。
でも、さっきの伊緒すげー楽しそうだったし…何か気に食わないというか何というか…。
あぁぁぁぁ、俺はあいつより大人なのに何してんだよまったく…。
「はぁ……。」
「あの、さっきから溜め息多すぎですよ。」
本日二回目の溜め息をついた時、後ろから不安要素が俺に話しかけてきた。