先生と教官室






さっきまでの真剣な進藤先生が、いきなりどこかに消えていった。





「それと、僕なんかに嫉妬しても無駄ですよ。片瀬さんの事は生徒としか見てませんから。」





「っっお、お前!!!」





「少し試してみたんです。甲田先生どんな反応されるのかなって。」






今日、こいつのこのニヤッとした顔を何度見たのだろうか。






何か自分を見ているみたいで複雑な気持ちになる。





だが、とりあえず今は一発食らわせたい程にイラッとしているのは間違いない。






「良い報告待ってますから!!」





でも、このニヤっと笑う進藤先生に、少しだけ安心もしている。





まぁ、全部俺の事を思ってやってくれた事だしな。





「…あぁ、頑張ってみますよ。」





「はははっ何で敬語なんですか?」





だって…何かさっきまで説教されてるみたいで怖かったし。





「別に…意味はねぇよ。……あ、進藤先生、今からバスケしましょうか。」





「へ!!?」





「いいじゃないですか。テスト期間は俺ら暇ですし、ね?」





「…別に構いませんが。何か敬語が怖いんですけど。」






「ボッコボコに叩きのめしてあげますよ。」





「!!!!」






進藤先生、ごめん。





本当は素直に感謝するべきなんだけど、何故だかお前だけにはできない…。





俺に似てるからかもな。





でも、心の中では思ってるよ。





いつも色々気づかせてくれてありがとうって。





進藤先生が俺の後輩で本当に良かったよ。













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