先生と教官室
コンコンっ
「はーい、どうぞー。」
「失礼します。」
「おぅ、伊…片瀬か。どうした?今昼飯の時間だろ?」
あ、今伊緒っていいかけた。
他の先生もいるから慌てて呼び方変えたのかな?
先生の中には下の名前で呼ぶ人も居るから別に大丈夫なのに。
できる事なら呼んでほしいって思ってるんだよ?
私は……。
そうしたら、いつでも特別だって言われた事を思い出せるのに。
「片瀬?」
「…これ、昨日のジャージのお金です。遅くなってすいませんでした。」
「おー、そういえばまだだったっけ。わざわざありがと。」
「いえ……。」
「……………。」
「……………。」
お互い、何も話す事ないや。
本当は聞きたい事色々あるけど、他の先生がいるから無理だし。
とりあえず、この気まずい空気は耐えられない。
先生も困るだろうし、おとなしく教室に戻ろう。
「じゃぁ私はこれで失礼しま……」
「あっちょっと待てっ!」
「え?」
「見てほしい物があってさ。」
「何ですか?」
やばい。
先生とまだ話せる事が嬉しいと思えるなんて、完全に恋してるな、私。
さっきから心臓の音おかしいし…。
自分で自分が制御できない。
「これこれっ新しいバッシュ!!」
必死で冷静を装っている私を嘲笑うかのように、先生が飛びきりの笑顔で私に足を見せてきた。
は、はぁ…だから…?
え、見せたいものって、まさかのそれ??!
子供かあんたは。
とゆうか、一瞬殺意を覚えたわ。
「ははは。あー良かったですねー。」
「えぇっ何その反応!!」
「だって、良い大人が子供に自慢ですか?ましてや教師が生徒にって。先生子供ですか。精神年齢いくつですか。」
「…そこまでいうなよなぁ。仕方ないだろ?誰かに言いたかったんだから。」
「ふーん……。」
え、ちょっと先生?
何で段々うつむいて…。
あーっっ!!
先生拗ねてるぅ!!
きゃーっアヒル口みたくなってるっ!!
そんな顔初めてみた。
めちゃくちゃ可愛いんですけど…。
できる事なら頭なでなでしたい…!!!