先生と教官室
家族という存在
―――――――………
あれから先生に家まで送ってもらい、家に着いた時には23時近くになっていた。
そして、家にはいつもはついていない部屋の明かりがついていた。
私、部屋の明かり消し忘れたっけ?
………いや、もしかして、お母さんが帰ってきてる?
それともお父さんかな?
どっちにしても、今は会いたくないのが本音だな…。
ガチャッ
「た、ただいま…。」
いつもと同じ、いつもの空気。
「おかえり、伊緒。」
「おか…あさん。」
その空間が、一気にいつもと違う空気に変わる。
お母さんの顔をまともに見れない。
声すら聞くのを怖く感じる。
てっきり会社に行って、今日はもう帰ってこないと思ってたのに…。
「ねぇ、少し話しをしない?聞いてほしい事があるの。」
「……うん。」
お母さんに誘われリビングに入ると、そこには教官室と同じコーヒーの匂いがした。