先生と教官室
だって、知ってるもん。
いつもあんなに仕事を頑張ってた理由が自分の為だけじゃないって事。
お母さんもお父さんも、私が不自由しないように頑張ってくれているんだよね。
「ちゃんと、解ってるよ。」
そんなに多くはなかったけど、時間がある時は必ずご飯も作ってくれたよね。
大丈夫。
私は嫌われてなんかいない。
愛情表現はされていなくても、沢山愛されているんだ。
私の家族は他とは少しズレてるかもしれない。
でも、これが私の家族の愛し方だから。
相手には伝わりにくい、不器用な愛し方だから。
「お母さん、これからはもっと話そうね。」
「ええ、そうね。」
「ご飯を一緒に食べたり、買い物にも行きたいな…。」
「そうね、やりましょう。」
そう言って頷いた後、お母さんは立ち上がって私の横へと座り直した。
「お母さんどうしたの?」