先生と教官室







「そういえば、あそこにはいつ行く予定なの?」






「あ、えっと…それは決めてない…かな。」






卵焼きをつつきながら答える私を、恵那が一瞬睨んだように見えた。






あれ恵那さん、さっきの笑顔はどちらに…?







少しの沈黙とにらみ合いっこが続き、ようやく恵那が口を開いた。







「…そういえばさ、私今から行かなきゃいけない所があるんだった。」







「え、そうなの?私ももう食べ終わるし付き合うよ?」








私がそう言った瞬間、どこか不機嫌そうだった恵那がニヤリと笑った。







あれれれれれれ?何か嫌な予感が………。







「よし、じゃぁ行こうか教官室っっ!!」







「…はぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」







ちょちょちょ、なんで教官室!?







運動部でも体育委員でもない恵那が教官室に用があるわけないじゃんっ!!






絶対に嘘でしょうが!!






「さぁ行こっか…ふふふ。」






「!!!!!!」






恵那のニヤっという笑い方がどことなく先生に似ている。






どうやら私は、いとも簡単に恵那にはめられたようだ…。









< 287 / 391 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop