先生と教官室
「…少しは相手の事信じてみれば?」
「恵那…。」
不安になり軽くうつむいていた私に、少し低い声がとんでくる。
とても冷静な時の恵那の声。
怖くも感じるけど、不安な時は私を安心させてくれる声でもある。
「相手は伊緒が子供だなんて思っていないと思うよ。」
「へ?」
「それに、そのままの伊緒を好きになったから付き合ったんじゃないの?」
「え……。」
恵那からの言葉がうまく吸収できない。
きっと正論を言ってくれているんだろうけど、今の私はそれが素直に受け止めきれていないような気がする。
「もうこの話し一回止めよ。とゆうか早く頼もうよ、私お腹空いてるの。」
「そうだね、私もお腹減った。」
「うん、そうしよーっ!!」
「……うん。」
これは、きっと恵那なりの優しさなんだろう。
私が不安になっていくのを感じて、とっさに話題を変えてくれたんだよね…。
「伊緒、ほら早く。」
「うん。」