先生と教官室
矛盾
――――――――――………
やばい、この待っている時間が一番緊張する。
どうやって待っていようかとか、身だしなみは大丈夫かとか気にすることが沢山で…。
「ふぅ………。」
あの電話の後、恵那に全ての事情をメールし、スーパーへと足を向けた。
抜け出す理由は恵那が考えてくれて、二人に何の疑いも与えずうまく抜けだすことができた。
とりあえず恵那から『こっちは大丈夫』というメールも貰ったし、後考えることは先生のことだけだ。
スーパーの入り口で一人先生を待っていると、何だかデートの待ち合わせみたいでドキドキする。
まぁ、みたいじゃなくて本当にデートなんですけどね。
「よう、片瀬。」
「っっ先生!!」
浮かれる私の肩をたたいたのは、私服姿の先生だった。
ポロシャツにチノパンというシンプルなファッションなのに、何故かとても格好良く見えてしまう。
「片瀬、どうした?俺なんか変?」
「あ、いえ…別に……。」
服は変わっていても、それ以外は特に変わらない先生。
でも、いつもと大きく違うのは…。
「何で片瀬なんですか?」
二人だけでいる時なのに、呼び方が違うってこと。