先生と教官室






私の質問を聞いて、少しだけ笑う先生。





余裕の大人の笑みって感じで、最高に格好いい。





「ここは高校が近いからな。もしかしたら高校の奴に見られるかもしれないだろ?その時に片瀬って呼んでたら部活の買い出しとか誤魔化しがきくと思ってさ。」






「…あ、なるほどですね…。」






なんだ…そういう事だったんだ。





てっきり人前で呼びたくないとか、そういうことかと…。





「なに、皆の前で名前呼んで欲しかった?」





「ち、ちがっ!!」





「えー、どうだか。」





「違いますって!!本当です!!」





「ははは、冗談だよ。解ってるから、そんなに怒るなよ。」





必死に違うとアピールする私の頭をポンポンと叩き、そして先生はいたずらっぽく笑った。






「………………。」






…これは、子供扱い?







「片瀬、お前昼飯食べた?」






「え?お昼ですか?」






「俺食べてないからお腹すいててさ。」






先生、私が何か考えているって気づいたのかな。





無理矢理話題を変えてくれた気がする……。









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