先生と教官室
怒った先生
コンッ
「……え?」
下を向いていた私の頭に、何かがぶつかる。
「おい、上向け。俺を見ろ。」
見なくても、声だけで私の前にいる人は先生だということが解る。
ビックリした勢いで上を向きそうになった身体を必死で止める。
「……いや、です。」
だって、泣いてる顔をみたらもっと子供だって思うでしょ…?
「…じゃぁいい、無理やり連れていく。」
グイッ
「えっ、ちょ……っっ!!!」
しゃがんでいた私の身体を、先生が思いっきり引っ張る。
男の人の強い力が腕にもろにかかり、強い衝撃が走る。
「…先生、痛いっ…離して下さい…!!」
いつもの先生なら、こんなに強い力で私に触れない。
たまに強くなっても、私が痛がったら直ぐに調節してくれる。
なのに………。
「絶対に離さない。嫌なら自分で振り切れ。」
いつもの先生じゃないのがよく解る。
あんなに優しい先生が、こんなにも怒っている。
私がここまで怒らせてしまったんだよね…。