先生と教官室
些細なこと
――――――――………
「あぁー痛いよー…。」
「伊緒、お腹痛いの?」
部活の朝練をしに学校に向かう途中、私は強烈な痛みと戦っていた。
「うぅ…お腹が……。」
「えぇ!?大丈夫!?」
「腹筋がぁぁあっ!!」
「え?」
「とんでもない筋肉痛なんですよ…。」
「は?筋肉痛?」
そうさ、この猛烈なお腹の痛みは腹筋の筋肉痛にある。
息を吸うのですら痛い状況で、正直話すことすらしたくない。
「でもなんで?日曜日は部活なかったし、部活のせいじゃないでしょ?」
詩衣の言う通り、この筋肉痛は部活のせいじゃない。
「なに、何か激しいスポーツでもしたわけ?」
「いや、そういうわけじゃ…。」
「え、じゃぁ何さ。心当たりとかないの?」
「あー…うーん、どうだろう。あははは…。」
原因の心当たりはバッチリついている。
何を隠そう、この筋肉痛はまぎれもなく甲田先生のせいである。