先生と教官室







「きっとね、女バスの誰に聞いても『伊緒は素直じゃない』って答えると思うよ。」







「っっ!!!!」






「それぐらい伊緒は素直じゃないの。自分一人で抱えこんで、周りに頼ろうとしない。いっつも周りのことばっかで自分のことは話さないし。だから、先生が言うことも解るんだ。」







自覚はしてたつもりだけど…まさかそこまでとは思っていなかった。







しかも、最近は改善していると思っていた分、更にダメージが大きい。






『素直』って…何をどうすればそうなれるの?






元々そんなこと意識したことないし、もう解んないよ…。







「伊緒、彼氏できたんでしょ?」






「え、うん…。」





今、絶賛喧嘩中だけどね。






「じゃあ、今のままじゃ駄目だよ。自分の思ってる事をちゃんと伝えられるようにしなきゃね。」






自分の思ってることね…。






「うーん……。」





「まぁ、ゆっくりでいいから頑張れ!!」






「…うん、そうする。」






先生が私に素直じゃないって言ったということは、先生に私の気持ちは伝わっていないということなのかな。






だから、先生はあんなに怒って……。






「いーお、考えすぎて眉間の皺すごいよ?」





「え、あ、ほんとだ…。」






まぁ、頑張るって決めたことだし…後で先生に謝りに行こうかな…。









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