先生と教官室
「仕事がありますのでバスケは遠慮しておきます。何せ新人の分際なので何かと忙しくて。じゃぁ、甲田先生頑張って下さいね。失礼しまーす。」
「あっお前逃げる気…」
バタンッ
あいつ…自分の言いたい事だけ言って逃げやがったな。
しかも、何が新人の分際だ。
こんなに先輩教師をばかにする新人がどこにいるっていうんだ。
仕事も要領よくこなして、いつも有意義に時間を使っているくせに。
前から掴みどころがない奴だとは思っていたが、ここまでくるともうお手上げだな。
俺は進藤先生に恋愛事で勝つのは無理だろうなと、今日改めて確信した。
…でも、そんな事を認めるのは悔しいから。
だから、俺は決めた。
次の期末テストの問題作成は絶対に手伝ってやんねぇ!!
ふっふっふ、恋愛とは違う事から仕返ししてやるかんな!!
「みてろよ、進藤先生。」
俺はそんなに優しい人間じゃないんだからな。
飲み干したコーヒーのコップを片付けてから、体育館へと向かった。