先生と教官室






それからしばらくの間目を閉じたままでいると、身体に何か冷たいものが触れる感じがした。






…なんだろう、身体のいたるところがヒンヤリして気持ちいい。






先程からズキズキと痛む頭や足など様々な場所にそれは当てられ、少しだけ痛みが和らいだような気がした。






でも、目を開けようと思っても、瞼が重くてなかなか開けられない。







早く皆に大丈夫だと言いたいのに…。






ギュウ…






え…?






身体の横に置かれているであろう私の手に、誰かが触れた。






最初は上からそっと重ねるように。







そして、それからゆっくりと私の手を握った。







見なくても直ぐに解ってしまう。






この手は、間違いなく先生の手だ。








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