先生と教官室
「進藤です、入って大丈夫ですか?」
「あぁ、どうぞ。」
ガチャ
「こ、こんにちは…」
予想外の進藤先生の登場に戸惑いながらも挨拶をすると、扉の前に現れた進藤先生が私をじっと見つめた。
そして、進藤先生は少しだけ眉を下げ困った表情をしてから口を開いた。
「片瀬さん、身体は大丈夫ですか?」
「…え、いや…大丈夫というか…何が起きたか解らなくて戸惑っています。」
いくら今の状況を確認しても、何故こうなったかは全く解らない。
練習中にいきなり視界が暗くなったかと思ったら、目が覚めたら教官室のソファーの上でただただ身体がズキズキするしで…もはや何が何だか解らずのお手上げ状態である。
「まぁ解らなくて当たり前だろ、お前すぐに意識とんだしな。」
「はあ…そ、そうなんですか…。」
「僕もその時の状況を聞いて驚きましたよ。今回のようなことは早々起きないでしょうしね。」
「……………。」
「片瀬さん、なにか?」
「あ、いえなにも…。」
うーん、進藤先生のこの話し方はどうも気持ち悪くて落ち着かない。
まぁ隣に先生がいるから仕方ないんだろうけどさ。
「で、あの先生方…一体私に何が起きたのでしょうか?」
「あぁ、さっきの練習中にな……。」