先生と教官室






真っ直ぐ先生の目を見つめ微笑みながらそう伝えると、唇をとがらせていた先生の表情が一気に崩れ、そして驚いた表情に変わった。






「ふっ、あははっ!!今日の先生は百面相ですね!!」






「なっちげーよ!!」






「あっほら!!今度は怒った顔に早変わりじゃないですか!!」






「だっ、なっ、―――っっ違うと言ったら違う!!」






「違わないですよ。だって先生、私の言葉一つ一つに反応して、その度に表情が変わって…。そういう所が子供みたいで可愛くて好きです。」






「あああああもうっ!!!いきなり素直になりすぎだ!!ズバズバそんな恥ずかしい事言うな!!」






真っ赤な顔をした先生は、少し怒る素振りをしてから私に顔が見えないように下を向いてしまった。






先生、こんなに乱れる事もあるんだね…。





いつも冷静だし、余裕たっぷりだし。






今回のこの乱れ具合は、私の中でかなりのギャップだ。








< 380 / 391 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop