先生と教官室
それから少しの間、先生と私はずっと抱き合いながら話しをしたり笑っていた。
お互いの熱を感じながら過ごすこの空間がたまらなく愛しくて、そして先生への『好き』という気持ちがまた積もっていく。
先生も私と同じように感じているのか、いつの間にかいじわるな様子がなくなり、抱きしめる力も優しいものへと変わっていた。
「伊緒。」
「はい。」
先生に呼ばれて、顔を上げる。
私に向けられた視線に、自分のものが重なる。
どうしたんだろう私…いつもなら凄く緊張して直ぐに視線を外してしまうのに、今は怖いくらいに落ち着いてる……。
「伊緒、愛してる…。」
「……私もです。」
「それじゃ駄目、ちゃんと言葉で言え。」
おぉぉぉ、でたなSプラスいじわる先生。
正直、先生からのいきなりの告白に動揺せずに『私もです』と答えられただけで褒めてほしいくらいなのに…。
「先生。」
「違う。」
「…翔也さん。」
「はい?」
私からの呼びかけに、先生が優しく微笑む。
この微笑みはきっと私だけしか知らない。
他の誰もが知らない私だけの先生なんだ…。
「私も、翔也さんを愛しています。今も、これからも…ずっとずっとです。」