先生と教官室






先生、ありがとう。






私を好きになってくれて、私と恋をしてくれて。






長いキスをしていると、私の頬に暖かい涙がつたっていった。






この頬に伝わるのは、きっと嬉し涙。






周りの皆への感謝の気持ちや、先生への愛が詰まった涙……。






キスを終えると、私の涙に気づいた先生は優しく自分の手で涙を拭い上げていく。







そして、目があい、また鼻がぶつかる位に近づくと、お互い少しだけ微笑んだ。






「伊緒。」





「先生。」





「……お前、卒業までには名前呼べるようにしとけよ。」





「……善処します。」





「はははっ、何だその返しは。」





先生と一緒に居られるこの空間が好きだよ。





誰にも邪魔をされない、二人だけの秘密な時間。






「先生、ずっとずっと大好きです。」






「…なに、誘ってんの?」






「ふふっ、そうかもしれません。」






「…この、バカ伊緒。」







そう言いながら、コーヒーの香りが漂うこの教官室で、大好きな先生と抱きしめあいながらキスをした―――……。











『END』




< 390 / 391 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop