先生と教官室






「ごほっ…せんっごほっ…せ。」







ただ、『本当に大丈夫だ』と伝えたいだけなのに、咳が邪魔してうまく話せない。







「やっぱ駄目。こんなに辛そうなのに一人で家に居させるなんて無理だ。心配すぎる。」








そんな。







じゃぁ、やっぱり親に連絡しちゃうの?







嫌だ、嫌だよ…それだけは何が何でも嫌なの。







一時的に収まっていた熱が少しずつ上がってくる感触がする。








身体は重くて、でも頭はフワフワして気持ちが悪い…。







もう、何もかもがどうでも良くなってきた。







早く、どこでもいいから布団に寝たい。






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