先生と教官室
「伊緒、おい、ちょっとまってろよ。」
まぁ意識失ってるし、聞こえてるわけないか。
車の助手席に伊緒を寝かせ、自分は教官室に急いで戻る。
えーっと、あいつの荷物は……これか。
教官室から急いで車に戻ると、さっきより伊緒がグッタリしてるように見えた。
急いで、でも安全運転を心がけて確実に我が家へと向かう。
「…ん、うぅ。」
何度も苦しそうな声を上げる伊緒。
「伊緒?起きたのか?」
声がする度に起きたと思うのだが、目はずっとつむったままで…。
「せ…せ……。」
え、お前本当に起きてないよね…?
起きてないのに俺の事よんでんの?
しかも、一回二回じゃなく何度も……。
「…やばい。」
これはやべーだろ。
そうか、これが女子高生が言ってる、いわゆる胸きゅんってやつか。