先生と教官室





「ねぇ先生、さっき伊緒の事、名前で呼んだよね?!」







ボーっとする私の横で、詩衣が勢いよく先生へと質問する。








そうだよ…先生。







さっき言ってくれたよね?







‘伊緒’ ……って。







「あ?名前で読んでなんかねーぞ?お前ら何言ってんの?」







「―――っっ」







がーん、ばっさり否定。







「「うっそだーっ!」」







先生の言葉に、詩衣と聡美はすかさず言い返す。







「あーもーうるせーな。呼んでないって言ってんだろ?…ほら、行くぞ片瀬。」








「あ、はい。」








だけど、呼んだ本人が違うと言う以上もうどうにもできない。










詩衣と聡美は、『絶対言ったよねー』なんて文句をいいながら、体育館へと歩いて行った。









そして、私と先生は教官室へと向かった。















< 9 / 391 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop