先生と教官室
「ねぇ先生、さっき伊緒の事、名前で呼んだよね?!」
ボーっとする私の横で、詩衣が勢いよく先生へと質問する。
そうだよ…先生。
さっき言ってくれたよね?
‘伊緒’ ……って。
「あ?名前で読んでなんかねーぞ?お前ら何言ってんの?」
「―――っっ」
がーん、ばっさり否定。
「「うっそだーっ!」」
先生の言葉に、詩衣と聡美はすかさず言い返す。
「あーもーうるせーな。呼んでないって言ってんだろ?…ほら、行くぞ片瀬。」
「あ、はい。」
だけど、呼んだ本人が違うと言う以上もうどうにもできない。
詩衣と聡美は、『絶対言ったよねー』なんて文句をいいながら、体育館へと歩いて行った。
そして、私と先生は教官室へと向かった。