この世界にいる誰かへ
紅い鳥
狭い世界で生きるのは

息がつまる

甘い餌をついばんで

楽に暮らすだけ

それってつまらない

色のない世界と同じ

甘い毒をついばんで

終わるくらいなら

月の女神にお願いする

いっそのこと

強力な毒でもいいと

ここから出られるなら

自由を得られるなら

見えない暗闇でも

月明かりだけで

飛んでいく

愛を知らない鳥は

愛を知るために

死をもいとわない

紅い雫のネクターに

酔ってしまったように

涙を流す

愛を教えてと

心も体も…。

永く孤独に生きてきた

その紅く燃えるような

ハート

食べたいけれど

燃えて消えていく。

それでも構わないから

愛を教えて

燃える炎のような

代償があるかもしれない
臆病はもう捨てて

この暗闇に飛んでいく

ただ月だけを見て

紅い雫のネクターに

酔ってしまったのだろうか

いくら愛の歌を聴こうとも

得られないなら

死んでるのと同じ

だから暗闇に飛んでいく

燃える炎に向かって

愛の歌を歌う

カンタービレ

私は…名もない紅い鳥

愛を知らない鳥

愛を教えて

心と身体に

歌うように

紅い鳥は燃える

その鳥は燃える

その鳥は不死鳥

愛を教えて

愛を教えて

紅い鳥は自由を得て

若返る

愛を教えて

愛を知るため

暗闇に飛んでいく

見えない暗闇に

歌うように

カンタービレ

月に囁いた

愛を教えて

歌うように

燃えるように

カンタービレ

月に照らされた

紅い鳥は

自由を求めて…。

飛んでいく

愛を教えて

愛を教えて

愛を教えてくれるなら

この身を滅んでもいい

燃えるように

歌うように

カンタービレ

愛の歌を教えて






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