それぞれのstory。
Re:
シャーッ。
カーテンがゆっくりと開かれ、スーツ姿の女の人が笑顔を浮かべて現れる。
「足下にお気をつけて鏡の前までお進みください。」
そう促され、私は鏡の前まで足を進める。
鏡の前に立つと、真っ白いウェディングドレスを来た私が映る。
ここは、結婚式場のドレスがたくさん揃ってるところ。
さっきまで居たのは試着室だ。
「遠藤様、大変お綺麗ですよ。」
プランナーさんは、営業スマイルでそうお世辞を溢す。
私、遠藤 朱音(エンドウ アカネ)はその声を少し遠くに感じながら、鏡の中のドレス姿の自分を見ながら、今日は来れなかった婚約者…ではなく、別の人物の事を思い出していた。
彼の事を。