それぞれのstory。
「確かにレポートは仕方ないよ。
やらなきゃいけない事だし。
だけど、今日の為に久々に会うからって、ちょっとお洒落してみたりとか、何話そうとか考えてた私の気持ち、無視なの??
どうでも良い事なの??
これって我が儘??」
「そんな事ない。
ごめん。
俺…あんまりにも無神経だった。
ごめんな。」
私が一気にまた続けて話していると、急に透琉に引き寄せられて、抱き締められた。
そして、透琉はそう謝ってくれた。
「透琉にとって、私は必要なの??」
「当たり前だろ??
これ…渡した時に言っただろ??
気持ち変わってないから…。」
透琉は私の左手をとって、薬指にはめられたシンプルなシルバーリングを親指で撫でながら、そう言った。
確かに、この指輪をもらった時に透琉の決意を聞いた。