それぞれのstory。


それから、お墓参りは莢に場所を聞いて、毎年行ってるけど、透琉の家族に会う勇気はなくて、あれ以来実家には行ってない。


学校には、何がしたいのかわかんなくなって、退学届けを出した。


あれだけやりたい事あったはずなのにね。




無職というわけにはいかないので、バイトを探してたら莢がバイトしてる、私の元バイト先の店長に話してくれて、また雇ってもらえるようになった。





それから8年…現在私は27歳。

今もその雑貨屋さんで社員として働いてる。


莢は4年前に結婚退職して、今は居ないけど連絡は取り合ってて、たまに会ってる。

子供が男女1人ずついて、凄い可愛い。



私にとって8年間、長かったような…短かったような……。








「…ま、……ん藤様。
遠藤様!!」
この8年間や透琉の事を思い出していたら、ウェディングドレス選びの最中だった事を忘れてて、プランナーさんに呼ばれる声で気づいた。


全然プランナーさんの話を聞いてないや。




まだ正直戸惑ってるんだと思う。


私は透琉への気持ちが無くなったから婚約者のプロポーズを受けたわけじゃないから。



ずっと透琉を想って、誰とも恋愛しないだろうとも思ってたし。




でも、受けたのは重ねてみてるとか、代わりにしてるとかじゃなく、私が透琉を永遠に失ってから初めて愛した人だったからだと思う。


だけど、私はこのまま幸せになって良いのかな??






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