それぞれのstory。


返事を待たずに、駅に向かい電車に飛び乗った。



夜9時頃ということもあり、仕事帰りのサラリーマンやOLがチラホラ。


あとは、若い人が数人が乗っていた。



まぁ私が向かう実家のある方角に栄えてる土地が、そんなないのもあると思うけど。



実家の最寄りの駅で降り、家までの道を無言で歩く。



この間、一度結婚の話をしにここに心蒔と訪れた際、透琉と高校の帰りに駅から家までのよく歩きながら見ていた風景が、少し変わっていた事に悲しく思った。


あの事故の後、私は実家に寄り付かなくなった数年のうちに…。

仕方ない気もするけど…。




ピンポーン。

少しして、たどり着いた実家のインターホンを押した。


今は鍵持ってないから。



『はい??…姉ちゃん??』

すぐにインターホン越しに答えた歩の声が聞こえた。


『うん…開けてくれる??』

そう聞くと、すぐに中からバタバタ走る音が聞こえてドアが開いた。



< 26 / 67 >

この作品をシェア

pagetop