それぞれのstory。
「具体的にどうするつもりなの??」
「透琉のお母さんと話す。
あの事故の後…話せなかったし。
ホントはずっと逃げてたから。
でも、今が向き合う時だと思うの。
今だからちゃんと話さないと。」
歩の問いかけにそう返した。
「朱音の気持ちは分かった。
けど、心蒔くんは知ってるのか??」
「ううん。
メールはしたけど…私、心蒔に透琉の事話してないから。」
「結婚前に突然こんな行動して、わけしらないって、結構ヤバイと思うけど…??」
パパの質問に2人を見ずに話す私に、歩は呆れたような口調でそう言ってきた。
「だよね。
だけど、破棄したいとかじゃないから…必ず戻るからあとちょっと待ってて欲しい。」
「姉ちゃん。」
「はぁ…分かった。
朱音は言い出したら聞かないしな。
向き合ってこい。」
「けど、親父」
「大丈夫。
朱音が選んだ男だ。
心蒔くんだって、きっと理解してる。」
止めようとする歩にパパはそう言って遮って、説得してくれた。
「ごめんね…わがまま言って。」
「それは俺たちじゃなくて、あとで心蒔さんに言いなよ。」
「うん。」
歩も仕方ないって感じだけど、何とか納得してくれた。
その日は久しぶりに実家のお風呂に入って、自分の部屋のベッドに横になった。