それぞれのstory。
「子供が出来て、数ヵ月後に双子だって先生から教えてもらった時、嬉しくて直ぐに心蒔に言ったんです。
その時から度々考え込んでる節があって、気になってたけど心蒔から話してくれるの信じて待ってたんです。
そしたら、この子達が生まれて直ぐに透真にしようって。
彼から言ってくれたんです。
それで、何となく知らせてからこの子達が生まれる数ヵ月何を考え込んでたのか分かった気がして。
勿論私は嬉しいけど、心蒔はほんとにそれで良いのか聞いたんですけど、その時何て言ったと思います??」
私は少し長々と振り返るように話して、そう聞いた。
「何て…言ってらしたの??」
「心蒔、
『正直男としては嫉妬もした。
お前の全てってくらい大事に想ってた相手だから。
だけど、俺もお前の事同じくらい大事に想ってるから。
だからこそ、大事な子供につけたいと思った。』
ってそう言ってくれたんです。
私もいつか子供が出来たら、透琉の文字の入った名前つけたいって思ってたから、心蒔が考えて考えて、そう決めてくれて嬉しかった。
だから、素直に聞く事にしたんです。
で、同じくらい心蒔の文字も子供に入れてあげたくて、心音は私が名付けたんです。」
私はその時改めて感じた心蒔の愛を嬉しく思いつつ、そうお母さんに話した。
「心蒔さん、本当に素敵な方ね。」
「はい。
私には勿体無いくらい素敵な人です。
いっぱいしてもらってばかりだから、申し訳ないけど。
私も幸せにしたいと思います。」
「そうね。
朱音ちゃん…幸せや愛の大きさは測れないけど、きっと相手の事を考えて行動する事やただ側に居るだけでも相手にも貴女の想い伝わるわ。
物を与えるとか上辺だけじゃなくてね。」
「はい。」
お母さんの言葉を聞いて、私は笑顔で頷いた。
お母さんも笑い返してくれた。