と・な・り。
「だけど、それはあたしの自己満足で、隼人は余計に困っちゃうよね? ごめんね。自分のことばかりでさ」
「おいっ、美優!」
隼人が何度も話し続けるあたしを呼びかける声が聞こえている。
だけど、あたしは話を止めることができない。
止めてしまえば、あたしは聞きたくもない隼人からの最終通告を突きつけられることになる。
そのことがわかっているから、あたしは………。
初めから、答えなんてわかっていた。
だけど、それでも聞きたくないと思って足掻いてしまう自分。
みっともない………。
あたしは、わかっていながらも受け止める覚悟ができていないんだ。
「あたし、隼人が香取さんと」
「美優!」
まだ、話を続けようとするあたしの肩を、わざわざ自分の持っている学生鞄を地面に落としてガシッと掴む隼人。
さすがのあたしも、驚きのあまり言葉を失った。
「あのさ………。俺の話も聞けよ………」
フゥ~…とあたしのすぐ前に端整な顔を近づけて息を吐く隼人。
あたしは、何も言えずにあまりの至近距離に目をパチパチとさせて、隼人のことを見ているしかなかった。
だって、やっぱり悔しいけど、隼人は綺麗な顔をしているから。
「俺と香取、別に付き合ってないから」
「へっ!?」