と・な・り。


「え~~~~~? そう? 残念。お母さんなら、美優が悩んでいることの答えをちょちょいと解決できるかもしれないのに?」


え?


自分でも馬鹿だと思うけど、その言葉にあたしはつい反応を示してしまった。


自分でもわからないこの複雑な状況。


もう、どう抜け出したらいいのかもわからない。誰かに助けてもらえるなら助けて欲しい。


そう思ったあたしの弱い心がお母さんの言葉に素直に反応してしまった。


「やっぱり、何かに対して悩んでいるのね~? 言いたくないなら無理に言わなくてもいいけど、行き詰っているならお母さんに話してみなさい。あなたのことに親が出て行くことはできないけど、アドバイスぐらいはできると思うわよ」


うっ………。


魅力溢れるお母さんの言葉。


あたしはお母さんの顔をじ~っと見つめる。


こんなお母さんでもあたしよりは何十年と先に生まれ生きている。


そう考えれば経験もあたし以上には豊富なはず………。


あたしは少し考えた後、お母さんの顔を見つめた。









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