と・な・り。





 ガラッ!


保健室のドアが開いたかと思うと、シャッという音と共に、あたしが寝ているベッドの横を取り囲むようにひかれているカーテンがあいた。


「あれ? 寝てなかったのか?」


「二、二岡? どうして………ここに?」


「なんだよ。心配しちゃいけないって言うのかよ」


二岡は傍に置いてあった背もたれのない丸い椅子を寄せて座ると、自然とあたしの額に手をあてた。


「やっぱり、熱あるんじゃん。今日……というか、お前ここ最近、変だったからさ。知恵熱でも出たんじゃねえ?」


「知恵熱って………! あたし、子供じゃないもん!」


体を起こして、ぽかぽかと二岡を叩くあたし。


二岡は笑いながら「わかったわかった」とあたしが叩く手をかわしていく。


「だけど、ここ最近お前、変だったから心配してたんだぜ?」


あたしは二岡を叩いていた手を止める。


「………心配…してくれてたの? ………ありがとう…」


「なっ! そんなに素直なお前って、ちょっと気持ちわりぃな」


「なによっ! 人が素直にお礼言ったらそんなこと言うなんて! 言うだけ損した」


プイッと頬を膨らましながら顔を逸らしたあたしを見て、二岡がにっこりと笑う。


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