生意気悪魔

第２ ペットは生意気

審査管たちは頭を抱えてしまった。

黒白の猫を出したなんて前代未聞だ。

試験会場の近くに建てられたテントの中で白髪のおばあさんや、白い髭のおじいさんが会議を始めてしまった。

｢猫自体はよく見るし、Ｃランクでよいのでは？｣

｢しかし…今までに出たことのない使い魔だ。
どんな能力を持っているかもわからないぞ？｣

｢たかが猫だ。たいしたことなどできないさ｣

｢しかし前例がないんだぞ？｣

何人もの偉大な魔法使いが頭を抱え込んでいる。

そんなに大変なことなのかな？

暇な私はテントの入り口へと視線を向けた。

テントの入り口の隙間から少しだけ試験会場が見える。

試験会場の行列の一番前に十伍がいた。

｢受験番号No.２５２古里十伍！前へ！｣

｢おぅ！｣

十伍の大きな返事がここまでよく聞こえる。

｢見ろ。前回の時に不合格になった少年だぞ。
よく恥ずかしげもなく堂々としていられるものだ。わしなら生きることを恥じてこの国から出ていくがね｣

テントの中の審査官の中でも一番若そうな白髪のおじいさんが十伍を見下して笑った。

━━なにコイツ？性格わっる〜…