生意気悪魔
━━この距離でこの威力ってことは、いったい十伍はどれだけの衝撃に耐えているの!?
私は強い風の勢いに目をしばしばさせながら、十伍を必死で見つめた。
十伍本人の足はもう地面から離れる寸前くらいに押されていた。
━━これじゃ十伍また失敗しちゃう!
「…けるな…ご!」
風の威力に声が負けてうまく喋れない。
「んにゃ?」
もう一度声を張り上げようと息を吸い込む時、ケイトが私の顔を覗き込んだ。
「負けるな!十伍!!」
「…。」
私はやっとの思いで言葉を発した。
ケイトがそれを聞いていることも考えずに…
一匹の猫は嵐を引き起こしている水晶に立ち向かう少年を見つめた。
そして自分の隣にいる少女の顔を再び覗き込むと、なにかを決意したようにテントの入り口の前にちょこんと座った。
猫の小さな体は風に吹き飛ばされることもなく、当たり前のようにそこにとどまっている。
「ケイト…?」
ケイトは右の耳をピクピクッと動かしてラリアのほうに振り返り、ニッと笑った。
私は強い風の勢いに目をしばしばさせながら、十伍を必死で見つめた。
十伍本人の足はもう地面から離れる寸前くらいに押されていた。
━━これじゃ十伍また失敗しちゃう!
「…けるな…ご!」
風の威力に声が負けてうまく喋れない。
「んにゃ?」
もう一度声を張り上げようと息を吸い込む時、ケイトが私の顔を覗き込んだ。
「負けるな!十伍!!」
「…。」
私はやっとの思いで言葉を発した。
ケイトがそれを聞いていることも考えずに…
一匹の猫は嵐を引き起こしている水晶に立ち向かう少年を見つめた。
そして自分の隣にいる少女の顔を再び覗き込むと、なにかを決意したようにテントの入り口の前にちょこんと座った。
猫の小さな体は風に吹き飛ばされることもなく、当たり前のようにそこにとどまっている。
「ケイト…?」
ケイトは右の耳をピクピクッと動かしてラリアのほうに振り返り、ニッと笑った。