誰も知らない恋〜先生への想い〜
「キャーッ」
さっきの女子達。
まだ、キャーキャー寒いと騒いでいる。
たまに女子の妙に甲高い声って頭にくるな。
(…自分も女子だけど)
特に今がそう。
先生は
その声の主に目をやると、直ぐさまあたし達から離れて女子の方へ向かって行ってしまった。
「やっとうっさいの行ったよー…」
そう隣で言う博恵。
“うっさいの”か……。
先生はみんなのことをちゃんと見てくれてるんじゃん。
うるさくなんかないよ。
博恵に心の中でそう言いながら、
あたし達の元から遠ざかっていく先生の背中を見つめていた。