誰も知らない恋〜先生への想い〜
「とれたー」
先生は、あたしに手招きしてきた。
「は?」
「手、だして」
言われた通りに、あたしが手を出すと先生は画鋲を渡してきた。
その画鋲に、あたしは目を奪われた。
「それ、捨てといて」
頭をあげて先生を見る。
「じ、自分で捨ててくださいよ」
「職員室、ゴミ箱ないんだよー」
先生は、そう言い残すと再び歩きだした。
…嘘つき。
ゴミ箱あるから。
あたしはこの目でしっかり見たけどな。
先生……、もしかしてあたしの気持ちに気付いてるの?