誰も知らない恋〜先生への想い〜
先生……、だからモテるんだよ。
普通、こんな時は自分で捨てるのに。
何気なく、それを渡してくるんだ。
人にものを頼まれるとね、嬉しくなるんだよ。
先生の姿が壁で見えなくなるまで、あたしは先生の背中を見続けていた。
長いようで、
短いようで……
あっという間に終わった先生との時間。
手中の、画鋲に目を向けた。
針と丸い所が綺麗に別れている。
先生が踏んだんだ……。
先生の上靴に刺さったんだ……。
先生がとったんだ……。
先生が触ったんだ……。