誰も知らない恋〜先生への想い〜
卒業
「博恵ー……」
「んー?」
今は掃除の時間。
あたしと博恵は一緒にサボりつつ、ベランダから外を見ていた。
博恵はケータイをいじりながら。
あたしは頬杖をつきながら。
「虫が飛んでるよー♪」
「そうだねぇ」
「つくしが咲いてるよー♪」
「もう春だね〜」
ふざけた笑顔を作りながら話していたあたしは、博恵の一言に、一瞬絶句した。
「…博恵ッ!!悲しい事言わないでよッ!!!」
−−バシッ
そう言った後、あたしは博恵の頭を勢いよく叩いた。
「痛ッッ!!?」
頭を手でおさえながら、あたしを睨んできた。
いきなり叩かれたから、かなり驚いている博恵。